SPCAとは、その国や地域における動物愛護の精神と法律に基づいて
運営されている動物のための福祉活動を行う公共団体のことです。

Society for the Prevention of Cruelty to Animals(動物虐待防止協会)
Society for Protection and Care of Animals(動物保護・管理協会)


イギリスでは1822年に初めての「動物保護法」を制定し、1824年にロンドンに世界で初の「SPCA」が誕生しました。その後、イギリスの動きを受けて、カナダでは1822年に、動物保護に関する法律が制定されました。
そして、1869年に最初のSPCAが設立され、1895年BC SPCA(Society for the Prevention of Cruelty to Animals)として活動を始めました。現在カナダには69カ所の支部があります。

BC SPCA、動物福祉精神と愛護法に基づいて運営されています。主な活動は・・・

1、疾病予防
2、望まれない妊娠・出産予防の啓蒙、及び不妊・去勢手術の実施
3、一般診察を行う病院事業
4、動物保護活動
5、里親探しを行うシェルター事業
6、動物虐待予防における警察的権利の行使(カナダ)

いずれも運営資金の大半は、個人や企業からの寄付で賄われているようですが、SPCAとしてもチャリティーやPR活動に力を入れています。

(住所)1205 East 7th Ave.Vancouver.BC 

てんこさんのレポート

先日、2002年8月13日撮って参りました。ここは10カ所のアニマルシェルターを保有するvancouver regonal branchのなかで最も中心的な場所です。アニマルシェルターはもちろんのこと、動物病院が併設されており、また、vancouver regional branchのベッドオフィスもあります。バンクーバーの中心(ダウンタウン)からは車で20〜30分ほどですが、交通 便もいいし、(バスやトレイン)、車で簡単に行ける便利な場所にあります。              

広大な敷地に建物はあります。右側が動物病院、左側がシェルターのオフィス部分(受付等があるところ)です。

動物病院側から、シェルターオフィスの建物を撮影。

シェルターオフィス側から、動物病院の建物を撮影。犬猫を捕獲。輸送するための立派な専用車もあります。

木に囲まれて分かりづらいのですが、シェルターのオフィスと犬舎を撮影したもの。とにかく広いんです!建物1つ1つはまるで日本の住宅のようだし、建物の裏の方はずっと芝生になっていて、犬をはなせる場所も(鉄枠みたいな所)もあるし。これだけの土地と施設を同じようなところで日本に作るとしたら、一体いくらかかるのか・・・・。

実際のシェルター(犬猫舎)を撮影したもの。壁には人間と動物たちが仲良く共存している姿が描かれています。

6〜11

 



 

犬舎です。計18カ所の檻があり、それぞれに番号がふってあります。大きな植え込みを囲むように、檻が「コ」の字になっています。(6)
犬同士の感染予防や衛生保持のため、基本的には1匹の犬につき1つの檻が与えられますが、たまに2〜3匹が一緒の檻にいるときがあります。(7〜9)
全ての犬(猫、ウサギ等全て)にインフォメーションカードがあり、それを見れば名前、性別、避妊・去勢済みか否か、予防接種済みか否か、シェルターに来た日、種類(犬種)、色、捨てられていたかSPCAに預けられたか、などの情報が一目で分かるようになっています。インフォメーションカードは檻の番号の所に貼られています。(10)
犬舎は清潔に保たれるよう工夫されています。各檻は2部屋に分かれていて(前方と奥)、両部屋をつなぐ小さな出入り口は開閉できるシャッターで仕切ることが出来ます。どちらか一方に犬を寄せ、その間にもう一方の部屋を掃除できるというわけです。床の掃除しやすい素材で作られていて、ホースで水を流せば簡単に汚物を下水溝に流すことが出来ます。(11)*下水溝は手前の金網部分です。

12

SPCAではたくさんの一般ボランティアがいます。私もやっているドッグウォーキング(散歩)や、ドッグ・キャットグルーミング(洗ったり、毛を刈ったり)などあんsど。そのボランティアとスタッフのコミュニケーションを図るためお知らせ用の掲示板があります。掲示の中には「誰々が(犬)いつ引き取られたか(または別のシェルターに移動されたか)」を記すようなものもあります。(写真中央下)また、ボランティアが自由に書くことの出来る日記のようなものも置いてあり、その日の犬の状態やくせ、感想を書くことが出来ます。このように、ボランティアとスタッフが協力して動物の様子を教え合ったりしています。

13〜18

猫舎です。ほとんどの猫は1匹用のケージを与えられていますが(13)、1カ所だけ1畳ほどのスペースがあり5〜6匹が一緒に入っています(14・写真左)。みんな大人しいです。犬舎も同様ですが、平日でもたくさんの市民がシェルターを訪れるのには驚きです(15)。それだけSPCAが地域に根付いている証拠でしょう。中でも、若者のカップル(写真15の女性と左の男性)が仲良く来たり、親子同士や家族総出で来ている姿もよく見かけます。ケージの中には、一つ一つ寝る場所用に箱がもうけられ、トイレ、水、えさ、そして草が置いてあります(16)。犬同様インフォメーションカードが各ケージに貼られています。(17)
ケージでも檻でもなく、1カ所すごく広い部屋があり、数匹の猫がぐっすり寝ています(18)。狭いケージだと暴れる猫はこの部屋なのかはわかりません。

里親希望の人たちが、保護されている動物と十分触れあうことができるようになっています。そのうえで、「家族の一員」として受け入れるかどうかも決めることができるのです。

猫部屋と犬部屋、一般家庭の雰囲気をそのまま再現した部屋が用意してあり、そこで里親希望の家族と里子候補の動物が一緒に過ごし、これからの生活をシュミレーションするのです。

19

SPCAは犬猫が大部分を占めますが、少数ながら鳥、ウサギ、ハムスター、モルモットなどの小動物もいます。とにかく、ひとつの小さな命でも守り、次の飼い主が見つかるまできちんと世話をする、それがSPCAのポリシーなのです。

20〜24


おまけです。
SPCAで保護されている犬達です。ドッグウォーキングの時に撮影しました。

 

撮影者の感想

この子達には今はまだ本当の家族がいなくとも、きちんと身の回りの世話をしてくれる人間達がいて、仮の家でもSPCAという施設がある。フォスターケア(一時預かりの一般家庭)で定期的に愛情を与えてもらえる。同じ捨て犬・捨て猫、飼い主の都合で見放された犬猫でも、日本のそれとは全く比較にならないくらい恵まれた環境にいるカナダの動物達。それもこれも、飼い主のモラル等もさることながらSPCAという非営利団体が一般社会に当たり前のように根付いているこの国の素晴らしさの一言につきます。犬達の表情を見れば分かりますよね。
SPCAに行くたびに思うこと・・・それは、その施設の素晴らしさ(一カ所だけでも立派な土地と建物、環境の良さに驚くのに、同じような施設が何100カ所もあるという事実)もさることながら、それ以前の問題として、「それを支える人々がいるからこそ団体が成り立っている」という事実です。非営利かつ全ての運用資金を寄付で賄っているという事実には本当に驚かされます。始めは「土地が広いし、建設コストも安いからかな?」とも考えましたが、よく考えればSPCAの発祥地はイギリスなんですよね。日本とそんなに変わらない条件・・・だとすれば、やはりひとえに「国民の動物に対する意識」そして「上(政府)の違い」といえるでしょう。
前述したように、とにかく一般市民の生活にSPCAの存在が当たり前のように溶け込んでいます。シェルターにはいつもたくさんの人たちが訪れるし、ボランティアも犬猫の数に見合わないほどたくさんいます。興味があれば誰でもが気軽に利用できるオープンさがあるんですね。そしてその管理や運営がまるで企業のように しっかりとしているにも大きな要因といえるでしょう。
「どうすればもっとSPCAを身近に感じてくれるか?」というのをちゃんと知り、そのためにはどうするかというのをちゃんと実際の運営に反映させているのです。ただこれは、SPCAという団体だけでなく、動物問題に関わるすべて、たとえば、他の動物団体、動物病院、一般企業(スポンサー)との協力、そして命の大切さを伝える学校教育や一般市民へ働きかけ、そして法律の整備などが同時に進んで行かなければ成り立たない。そういう点では、まだまだ日本の道のりは果てしなく長いですね。
でもいつか日本もこのようになる・・・そう信じたいです。

 

 

ここからは、「ペットと人のエンジョイカタログClinic club」2002. vol.4からの抜粋です・・・

BC SPCAは付属の動物病院内の動物だけでなく、一般市民の動物の診療もしています。主に行うのは不妊・去勢手術ですが、病気や怪我などにも対応しています。低めの料金設定のせいか、一般市民の来院はかなり多いようです。

獣医師は日中3人、夜間(夜11時まで)は1人が常勤。それ以降は無人になるけれど、急患は24時間対応の動物病院で診療してもらえるシステムになっています。飼い主のいない動物に限っては、BC SPCA料金で診察してもらえるそうです。

首輪をつけずに道路をうろついている犬や猫は、すぐにBC SPCAに保護されます。そして6日間保護し、飼い主が現れるのを待ちます。迷い犬の40パーセントは飼い主が現れるそうですが、猫の場合は3パーセントの飼い主しか引き取りにこないそうです。6日間すぎても飼い主が現れない場合は、いったん動物の所有権は国に移り、そこからBC SPCAに移されます。 BC SPCAが里親探しや不妊手術を行うことができるのは、所有権を得たその段階になってからです。

2000年度、飼い主が現れなかった動物のうち、犬では25パーセントにあたる1000匹が、猫では13パーセントにあたる2000匹が、里親が見つからずに安楽死となったそうです。そういう事態をできるだけ避けたいけれど、収容施設に限りがあるため仕方がないとのことです。

しかし、1997年には年間9000匹を安楽死させていたのを、3000匹まで減らすことができたのは、すごいことだと思います。

BC SPCAに動物を引き取ってもらいにくる人は、経済的理由で飼育を放棄したり、治療費を負担できずに手放したりする人がほとんどです。しかし、中には動物を無責任に飼い、手に負えなくなって連れてくる飼い主さんもいます。

BC SPCAのPR活動は、そんな動物愛護に無理解な飼い主さんの意識を高めることも目的の1つとしており、RNZ SPCAにおいても「飼い主教育」を活動の大きな柱として掲げています。捨て犬・捨て猫を減らすためには、まず飼い主さんへの啓蒙が第1ということのようです。

また、保護された動物を引き取った人には、不妊・去勢手術がほぼ無料になるチケットを発行。

BC SPCAの病院でももちろんのこと、一般病院でも差額分だけ払えば良いそうです。

 

次のページでは、BC SPCAが配布している資料についてご紹介しています。

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http://www.vrbspca.bc.ca/index.asp


こちらがBC SPCAのサイトです。



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