3月24日 宇都宮地方裁判所301法廷
一般席32席中傍聴人9名
記者席16席中記者6名

前審が長引き予定時刻より10分遅れの14時40分開廷。
大久保被告は弁護士とともに入廷。
まっすぐ被告人席につこうとする被告に弁護士が
「まだそこ(の後ろの席)でいいよ」と声をかける。
子供に声をかけるような優しい口調が印象的。

弁護士:平成13年8月下旬○○クリニックに行って、診察を受けましたね。
その理由はあなたが精神安定剤や睡眠薬ををたくさん飲んだからですね。
その際、自傷行為をしたのですね。直接のきっかけは(聞き取り不明)
それまでの間に自傷行為をしたことが何度かありますよね。

被告:果物ナイフで腕に斬りつけたことがありました。

弁護士:いつからそういったことをやるようになったの?

被告:平成12年の2月頃だったと思います。

弁護士:あなたのどこに傷をつけるの?

被告:前腕部です。

弁護士:そんなふうにつけるの?

被告:格子状につけます。

弁護士:格子状というのはどうゆうこと?

被告:縦と横に斬りつけます。

弁護士:それはどのくらいの深さ?

被告:うっすら血がにじむ程度です。

弁護士:結果としては病院に行かなくても済む程度なんですね。

被告:はい

弁護士:どうしてそうゆうことをしたのですか?

被告:受験勉強がはかどらなくていらいらしてやりました。

弁護士:看護学校の受験をして落っこっていますね。どんな風にいらいらしたの?

被告:数学が難しくてわからなくていらいらしました。

弁護士:何のため(聞き取り不明)

被告:勉強ができない自分を責める気持ちでやりました。

弁護士:もう少し違う言葉で言える?

被告:わかりません。

弁護士:やったことでどんな気持ちがしたの?

被告:すーっとしました。

弁護士:痛いでしょ?痛いコトで感じることはないのですか?

被告:何もないです。

弁護士:それは死にたいという気持ちではないのね。

被告:はい。

弁護士:(聞き取り不明)

被告:情けないと思っていました。

弁護士(聞き取り不明)

被告:ナイフを使って自分を傷つける行為は、○○病院に勤めて1ケ月くらいたって
からもやりました。

弁護士:果物ナイフで腕を傷つける、同じように格子状に傷つけるのはなぜ?

被告:ストレスが溜まったからです。

弁護士:どういうストレス?

被告:何も言うことを聞かない患者について、いらいらが募ってやっちゃいました。

弁護士:傷つけてどうなると思ったの?

被告:患者さんにいらいらする気持ちと患者さんを大切にしたい気持ちの板ばさみで
す。

弁護士:それで、腕を格子状に切っていますね。格子状に切るのはなぜ?

被告:傷と傷がじゃましあって、直りにくくするためです。

弁護士:どうしてわざわざ直りにくくするの?

被告:わかりません。

弁護士:死にたいという気持ちはありませんでしたか?

被告:はい

弁護士:それをやった後、どんな気持ちなの?

被告:すーっとしました。

弁護士:それはいらいらがとれるのかな?

被告;はい

弁護士:後悔しなかった?

被告:しなかったです。

弁護士:そういう自傷行為は他にもありますか?

被告:わかりません。

弁護士:たばこの火を自分の腕に押しつけた自傷行為があったよね。

被告:はい

弁護士:たばこの火を自分の腕に押しつけた自傷行為はいつころから?

被告:ちょっと忘れちゃいました。

弁護士:あなたが看護学校の一年生の担任の○○先生から事情を聞かれたことがある
よね。
平成13年9月にその先生がそのことをあなたとお話したと言ってるのね。その頃、○
○クリニックに行った頃だよね。
間違いないかな?

被告:間違いないです。

弁護士:どうしてそういうことをしたのかな?

被告:ミイラ取りがミイラになったという失意からやりました。

弁護士:それは看護する側から看護される側になってしまったという意味?

被告:そうです。

弁護士:何カ所ぐらい煙草の火を押しつけたんですか?

被告:4箇所です。

弁護士:どこに?

被告:両方の前腕部にです。

弁護士:どのくらいの時間?

被告;30秒ぐらい。

-----------(弁護士、弁護席から立ち上がり話し出す)

弁護士:押しつけた後の気持ちは?

被告:自分を責める気持ちがなくなってすーっとしました。

弁護士:平成13年9月頃以外にもやったことがありますか?

被告:ないです。

弁護士:あなたは警察に逮捕されているときもやってるよね。

被告:はい。

弁護士:それはどこに?

被告」左腕の前腕部1箇所です。

弁護士:今ちょっと腕出してもらえる?

-----------(弁護士、被告席に行って、被告の腕を出す)

弁護士:あとがまだ残っているね?
この黒く残っている一つが、逮捕後のものだね。
傷跡は長さ約10cm、幅5cmくらいだね。
右腕の方は?
右は左ほどではないね。

-----------(弁護士、席に戻る)

弁護士:あなたは自分をどんな人間だと思いますか?

被告:心の弱い情けない人間だと思っていました。

弁護士:どうして情けない人間だと思うの?

被告:いや、なんとなくそういう気がして……。

弁護士:平成13年10月に宇都宮の○○公園で事故を起こしましたよね。
あなたはそのあと、薬を飲んだことがありましたよね。
平成13年のうちに何回薬を飲んだの?

被告:平成13年になってからは1回だけです。

弁護士:それはいつ?

被告:忘れました?

弁護士:どのくらい飲んだの?

被告:24錠です。

弁護士:どんな薬を飲んだの?

弁護士:市販の精神安定剤です。

被告:それは何のため?

弁護士:死にたいと思ったからです。

弁護士:大好きななバイクがなくなったから死にたいと思ったの?

被告:はい。

弁護士:そのバイクが壊れて失ったから死にたいと思ったのですね?

被告:はい。

弁護士:本当に死にたいと思ったの?

被告:半分半分です。死にたいの半分、死にたくないの半分です。

弁護士」:その時は病院に運ばれていますか?

被告:運ばれませんでした。

弁護士:その時は病院の治療は受けてないよね。

被告:はい。

弁護士:平成13年11月下旬。ところがあなたはもういっぺんくすりを飲んでるでしょ?

被告:わからないです

弁護士:病院に運ばれたことがありましたね。

被告:はい

弁護士:血糖値を下げるくすりを飲んだのんですね?それは誰のくすりですか?

被告:じいちゃんのくすりです。

弁護士:何錠飲んだの?

被告:100錠近く飲みました。

弁護士:おじいちゃんはその薬をどこに保管していたの?

被告:茶の間です。
紙袋に入っていた血糖値を下げる薬を全部飲みました。

弁護士:それはどうして?

被告:死のうと思いました。

弁護士:ソレは何らかの事情があって死のうと思ったの?

被告:なんとなく、です。

弁護士:(その薬が)どんな仕組みで死ぬことにつながると思ったのですか?

被告:わかりません。

(聞き取り不明)

被告:血糖値を下げることで、血液が栄養失調になって死ねると思いました。

弁護士:看護学校の留年が決まった時にものんでるよね?
それは留年とは関係ないの?

被告:関係ありません。自分がなぜあの時に死にたくなったのか考えたことはなかっ
たです。

弁護士:(病院で)意識が戻った時、自分が生きてるのがわかった時にどう思った?

被告:残念さ半分、嬉しさ半分です。

弁護士:どうして生き残れたことがいいの? あなたにとって。

被告:それはわからないです。

弁護士:あなたは病院を無断で退院してますね。病院を抜け出して。
どこに入院してたの?

被告:集中治療室です。

弁護士:それはICUだよね。点滴なども体についていた状態で抜け出したよね。○○
病院から○○の自宅まで病院のスリッパをはいて歩いてきたよね。
そのくらいの時間歩いたの?

被告:1時間か30分だと思います。

弁護士:どうして病院を抜け出したの?

被告:病院が退屈でいやだったからです。

弁護士:自分が死ぬかもしれない不安はなかったの?

被告:なかったです。意識を取りもどしたから、もう大丈夫だと思って帰ってきまし
た。

弁護士:本件を始めたのは平成13年3月15日頃から(聞き取り不明)

弁護士:○○病院をやめたのは平成13年の8月ですね。

(聞き取り不明)

被告:平成14年の1月から2月は看護学校に行ったり行かなかったりしていました。

被告:午前中に病院に行って、お昼を食べて学校に行っていました

弁護士:平成14年の4月に復学する前の12月からは、学校に行っていませんよね。そ
の病院も週に1回でしたね。大部分の生活がからっぽの生活で、その間は何をしてい
たの?

被告:昼夜逆転のような生活です。

弁護士:夜はなにしていたの?

被告:ゲームをしたり散歩をしたりしていました。

弁護士:あなたはほとんど毎日、○○公園に行ってますね?
それはどうして?

被告:夜景を見るためです。

弁護士:夜景を見るとどうなるの?

被告:落ち着く。

弁護士:どんな気持ちが落ち着くの

被告:わかりません。

弁護士:端から見たらごろごろした生活。わかるよね。そういうのをどう思ってたの?

被告:いけないかなと思ってました。

弁護士:どうしていけないと思ったの?

被告:ばーちゃんとかに迷惑かけてこれでいいのかと思った。

弁護士:当時あなたがこんな気持ちがたくさんあったって言えるものがありますか?

被告:わかんないです。

弁護士:ガソリンスタンドでアルバイトしてますね。
このアルバイトにはどうして行ったの?

被告:歩いていって、アルバイト募集していませんかと聞いて、してるというので面
接を受けてやりました。

弁護士:どうしてアルバイトをしようと思ったの?

被告:せめて月の小遣いぐらいは稼がなきゃと思って、やりました。

弁護士:猫の殺害を始めたのは平成14年(聞き取り不明)でしたね。
これはアルバイ トとは関係あるの?

被告:ありません。

弁護士:あなたはなぜ犬や猫を殺したの?

(続く)