快楽殺人の心理 
<FBI心理分析官のノートより> ロバート・K・レスラー 講談社
この本の中で彼は36人の連続殺人犯にインタビューをして分析している。
まず 表の中で目に入ってくるのが 白昼夢・強迫的マスターベーション・周囲からの孤立・虚言癖・夜尿症・
周囲からの孤立/犯行・悪夢・器物の破壊・放火・盗癖・子供へのいじめに引き続き 高パーセンテージを示しているのが、少年期における動物への虐待 26人中の46%である。
<「枠内文章」は文中より抜粋>
「サディスティックな行動
初期の攻撃的な行動は、まず動物に向けられることが多いようだ。何人かの殺人者たちは、子供時代に動物に対してサディスティックなふるまいをしたことを語ってくれた。」
__中略__
「もう一つ別の例では殺人者が自分のしたこと(もしくはしなかったこと)は悪くなく、むしろ猫の方に非があったのだと主張し、その結果として動物への残酷な行為がエスカレートしていった経緯を述べている。」
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「サディスティックな行動が、動物をあいてにするだけにとどまらず、他の対象や、遊び仲間に向けられることもある。次にあげるのは、子供時代の象徴的な遊びがもつ重要性を示す格好の事例だろう。
ある殺人者は、自分の犯した殺人を、少年時代に姉や妹が持っていた人形の首をもぎとって遊んだことと結びつけている。「子供の時、私は姉や妹の人形をいつもそうしていた・・・バービー人形の首を引き抜くのだ。」と。また別の殺人者は、同い年の少年に対してしたことを告白している。
「まだ小さい頃の話だが、あるときよその子供と口げんかになった。私は手斧を持ってその子を追いかけまわした。」
動物に対してサディスティックな行為を行う段階から、実際に人を殺すことによって殺戮の空想を実現するまでが、きわめて短かったケースもある。ある殺人者は、まだ少年の時に祖父母を殺害した。成人してからの彼は、自分が抱いていた暴力的な空想と、まず動物を殺し、次に祖父母を殺害するという行為とは無関係だと考えており、自分がなぜ祖父母を殺したのかよくわかっていなかった。」
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この後に上記の殺人者が祖父母に銃をおもちゃにする(鳥をむやみに撃つ)行為を咎められ、銃を取り上げられたために祖父母を殺害したインタビューの中で関連性をあげている。
この殺人者は出所後、次々と女性を殺しはじめた。
レスラー捜査官は以下のようにまとめている
「子供時代の性的な攻撃性は、他の子供たちとの儀式的な遊びを通じて、心の中にしっかりと植えつけられ、強化されていくように思われる。同時に、空想はより細部まで鮮明なもにになり、その現実への移し変えも手のこんだものになっていく。攻撃的な思考パターンは、まず遊びのなかで演じられ、それから他の人々や動物に向けられるので、普通は大人たちに禁止されたり束縛されたりする恐れはない。殺人者たちは、うまくやれば暴力行為を罰せられずにすむことを、早くから学習する。本質的には、彼らは自分のしていることを悪いとは思っていない。現に多くの殺人者は、自分はただ、誰もが頭のなかでは考えていることを、そのまま実行しただけだと主張しているのである。」
上記の捜査官の本の中で述べている人形という点だが、これはHSUSのファーストストライクのキャンペーンでも一番はじめの黄信号はぬいぐるみや人形の手足をもぎったり、首を引き抜いた入りする行為だと述べている。
ぬいぐるみや人形を連れて歩いてひきずりまわるうちに、綻びてきたり、手足がもぎれてしまうことはよくあることだが、手足がついた人形を故意に破壊しようという行為は問題があるらしい。
なんらかのストレスや親もしくは兄弟・姉妹・友人から受けた虐待が自分のぬいぐるみや人形に向かう場合もあると忠告している。
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