First Strike

2001年
HSUSレポート

実例_US

実例_国内 

国内文献

FBI心理分析官

ランダル
ロッグウッド博士

他セミナー等

配布用印刷バージョン

通報しよう

Top









前兆行動

<読売新聞 安全メルトダウン 第3部 命弄ぶ若者>
2002年8月22日
 --妄想の果て壊れた現実「動物虐待が
前兆の説も」---
 宮崎勤の捜査幹部は言う。「つかみ所はなかったが、受け答えは普通だった。ビデオの影響も大きいが、彼の動物虐待も気にかかった。あれこそが
前兆行動だ」
 日本ではまだ研究事例は少ないが、米連邦捜査局(FBI)のジョン・ダグラス元特別捜査官は、連続殺人などの凶悪犯、百五十人に面接調査したことがある。その結果、九割が少年期に動物虐待を体験していた。ダグラス元特別捜査官は「生き物を苦しめることに快楽を覚え、生殺与奪の権を握ることに心酔してしまう」と言う。その報告は日本でも相次いでいる。今年三月、四国の小学校で、ウサギを焼き殺し、百葉箱などの上に置いた事件が起き、十五歳の少年三人が「暇だし、騒ぎを起こしたかった。映画で見たシーンを再現しようと思った」と供述した。

<読売新聞 長崎男児殺害で12歳補導 乏しい動機、増す残虐性>
2003年 7月10日

警察の幹部は、少年事件の低年齢化について「普通の子供が突然に爆発する事件が増えている。年代が下がっている」と指摘する。
 そして事件にはならなくても、精神科医のもとには、凶悪事件の前兆行動となる動物虐待などの相談が数多く寄せられている。
 東京都内の精神科医は最近、高層マンションの上からペットのネコを落とした小学五年生の男児の相談を受けた。男児は何が悪いのか全く理解していないようだったという。
 「身近な動物を殺すのは殺人に最も近いサインで、周囲の大人たちが兆候を見逃さず、医学的処置を含めて対応することが必要だ」と医師は話す。
 別の精神科医は、鶏のひなの足を引きちぎった中学生を診察した。この医師は「こうした残虐な行為には、いじめなどで強い被害感情を持っているケースがほとんどで、医師が理由をじっくり聞くと収まることが多い」と語る。
 衝撃的な事件の中には、動機や前兆行動が解明されたものもある。
 一九九七年二月から五月にかけて起きた神戸の連続児童殺傷事件。医療少年院送致となった少年(14)は「性衝動と攻撃性が結合したサディズム」(神戸家裁決定)を抱え、よくネコを解剖して遊んでいた。
 二〇〇〇年五月に西鉄バスジャック事件を起こした少年(17)は、居場所がないと感じ、犯罪で自分の存在をアピールしようと犯行を決意していた。この少年も昆虫やカエルを殺して楽しんでいた。
 同年八月に大分県の一家六人殺傷事件を起こした少年(15)は、残虐なテレビゲームや映画の影響を受け、ネコをいじめる姿が目撃されていた。
 警察庁が、九八年一月から二〇〇〇年五月までの二年余に起きた特異な少年事件を起こした二十五人を調べたところ、二十二人に前兆行動があった。
 警察庁の幹部は「前兆行動を見分けることが事件の防止につながる。その典型が動物虐待だろう」と指摘している。

 *〈前兆行動〉事件を起こした少年が事前に見せる特徴的行動。刃物を携帯したり、ウサギなどの動物を殺したり、自分の手足を刃物で刻んだりするケースが確認されている。周囲が兆候に気付いても適切な対応が取られない場合が少なくなく、事件防止の課題となっている。


前へ←★→次へ
All Right Reserved 2002 www.kogenta.com
無断転載禁止